環境にやさしい
新技術の活用

ICT活用、岩盤切削機の共同開発、
ゼロセメント・コンクリートの開発等、
新しい技術を積極的に活用しています。

生産性向上への取組み

建設業の生産性を大幅に向上させ、「高水準の給料」「充実した休暇」「希望の叶う職場」という「新3K」を実現することを目指して「i-Construction」が推進されています。その中心には、ICT(情報通信技術)の積極的な活用があり、当社でも多くの建設現場にICTを導入し、効率的な運用を行っています。さらに、急速に変化する社会経済状況に対応するため、建設分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。

「i-Construction」への対応「建設工事における3次元モデルの有効活用」

建設分野では、設計図面をコンピュータ上で3次元モデルとして作成し、これを設計から施工、維持管理に至るまでのサイクル全体で活用することによって、業務効率の向上を図る取組みが進んでいます。
当社でも、UAV(ドローン)やレーザースキャナ、更には最新鋭のレーザートラッカーを用いた3次元測量を行い、設計図の3次元化、3次元データを搭載したICT建設機械による施工、3次元出来形管理まで、i-Constructionで求められているすべての項目に対して自立した活動を行っています。
この他にも、制約条件の多く難しい工事については、施工計画の立案や、機械・資材配置等のシミュレーションにVR/MR技術による施工現場の可視化やシミュレーションを行い、対外説明や安全教育等に3次元モデルを有効活用しています。

  • UAVを用いた3次元測量
    UAVを用いた3次元測量
  • 3次元モデルを用いた干渉確認
    3次元モデルを用いた干渉確認
  • ARを用いたボックスカルバートの配筋確認
    ARを用いたボックスカルバートの配筋確認
  •   レーザートラッカーによる3次元測量
    レーザートラッカーによる3次元測量
  •  施工ステップモデルによる施工状況の確認
    施工ステップモデルによる施工状況の確認
  • VRを用いた安全教育
    VRを用いた安全教育

技術開発

周辺住民に優しい工事現場へ 「岩盤切削機(サーフィスマイナー)」

道路改良・造成・鉱山採掘工事等において低振動・低騒音の岩盤切削機「サーフィスマイナー」を使用し、近隣住民の負担軽減に取り組んできました。
最近では、燃料に空気の超微細気泡(ナノバブル)を混入させる装置を設置し、燃焼効率を上げることで、燃料消費量CO₂排出量を削減する試みにも挑戦しています。
さらに、2021年末には新たに2500SM(従来機)を軽量・小型化した220SMを導入しました。新型機は環境負荷が小さくなったことに加え、今まで以上に狭隘な現場にも適用が可能であり、運搬も容易であることから、これまで以上に稼働の機会が増えるものと期待しています。また、建設DXや建設ICTへの対応として、3次元マシンコントロール技術(3D-MC)を導入し、切削作業の効率化や高精度化にも取り組んでいます。
今後も環境負荷の低減、作業効率の向上のために挑戦を続ける所存です。見学希望の方は、ぜひ一度ご連絡ください。

  • 岩盤切削機(サーフィスマイナー)220SM
    岩盤切削機(サーフィスマイナー)220SM
  • 岩盤切削機(サーフィスマイナー)220SM
    岩盤切削機(サーフィスマイナー)220SM
  • 岩盤切削機(サーフィスマイナー)220SM 3D-MC(ICT施工)
    岩盤切削機(サーフィスマイナー)220SM 3D-MC(ICT施工)

ゼロセメント・コンクリートの開発

CO₂の排出量を削減するコンクリートとして、セメントを全く使用しない「ゼロセメント・コンクリート」を開発し、実用化に向けて検討を重ねています。
ゼロセメント・コンクリートは、産業副産物である鉄鋼スラグを、骨材や結合材に使用しているため、一般的なコンクリートと比較してCO₂排出量を90%以上削減できます。またリサイクルによる資源の有効利用や、天然資源の保護にも貢献します。
2023年度から、一般社団法人全国道の駅連絡会と連携し、全国5ヵ所の道の駅でゼロセメント・コンクリートによる舗装工事の実証試験を行っています。

ゼロセメント・コンクリート
ゼロセメント・コンクリート
  • 施工現場:道の駅はなまき西南
    施工現場:道の駅はなまき西南
  • 施工現場:道の駅はなまき西南(施工1年後)
    施工現場:道の駅はなまき西南(施工1年後)
  • 施工現場:道の駅美山ふれあい広場
    施工現場:道の駅美山ふれあい広場
  • 施工現場:道の駅美山ふれあい広場(PR看板設置)
    施工現場:道の駅美山ふれあい広場(PR看板設置)

ポリプロピレン繊維補強コンクリートの舗装への適用に関する研究

国土交通省近畿地方整備局が主宰している新都市社会融合創造研究会のテーマとして採用された、近畿大学の東山浩士教授がプロジェクトリーダーを務める「ハイブリッド型繊維補強コンクリート舗装に関する研究プロジェクト」に、2021年7月から2024年3月まで幹事会社として参加しました。プロジェクト終了後も、コンクリート舗装の更なる長寿命化と環境負荷低減を目指し、「ポリプロピレン繊維補強コンクリートの舗装への適用に関する研究」を東山教授と共同で行っています。
共同研究の結果、コンクリートにポリプロピレン繊維を混入することで、普通コンクリート舗装に比べ耐久性能が向上し、舗装の疲労寿命(耐久性)が延びることが確認されました。また、実験結果を基に疲労寿命を考慮して試算したCO₂排出量は、普通コンクリート舗装に対し約70%削減できることがわかりました。

  • ポリプロピレン繊維
    ポリプロピレン繊維
  •  試験体の破断面
    試験体の破断面
  • 曲げ疲労試験状況
    曲げ疲労試験状況
  • 試験施工状況(近畿技術事務所内)
    試験施工状況(近畿技術事務所内)