環境にやさしい
新技術の活用
ICT活用、岩盤切削機の共同開発、
ゼロセメント・コンクリートの開発等、
新しい技術を積極的に活用しています。
生産性向上への取組み
現在、建設業界では担い手不足が深刻化しており、現場の生産性向上が急務となっています。国土交通省はこれに対応するため、「i-Construction2.0」を推進しており、「施工のオートメーション化」、「データ連携のオートメーション化」、「施工管理のオートメーション化」を三本柱とし、2040年度までに2023年度比で生産性を1.5倍に高めるという目標を掲げています。当社においても、最新鋭の計測機「レーザートラッカー」を積極的に活用し、様々な生産性向上に取り組んでいます。
舗装出来形面管理の効率化
従来の舗装品質管理では、一部の測点のみを評価する「点管理」が主流でしたが、より高品質な舗装工事実現のために舗装面全体を評価する「面管理」への移行が求められてきました。この面管理には地上型レーザースキャナー(TLS)が用いられてきましたが、計測結果のデータ処理や評価に数日を要し、例えば700m・4車線規模の現場では、結果が判明するまでに約1週間を要していました。そのため、連日施工が進行する現場では、全ての層に対して面管理を実施することが困難でした。
この課題に対し、当社では「レーザートラッカー」を導入しました。レーザートラッカーは計測範囲を任意に設定できるため、必要な箇所のみデータを取得でき、TLSに比べてデータ処理時間が大幅に短縮されます。さらに、舗装出来形の面管理に特化した専用アプリケーションを自社開発し、計測から評価までの操作性を向上させました。その結果、計測後わずか約1分で面評価が完了し、施工完了直後に即時評価が可能となりました。これにより表層だけでなく舗装体全層への面管理も現実的に実施可能となり、作業時間の大幅短縮による生産性向上が実現しています。

多賀SIC(上り線)工事 
レーザートラッカーによる点群計測

PC画面と操作アイコンおよび面評価のカラーマップ
鋼板巻立て工の効率化
鋼板巻立て工(※既設橋脚の周囲に鋼板を設置して、隙間にグラウトを充填する工法)による橋梁の耐震補強では、既設橋脚周囲の不陸計測が不可欠です。不陸とは水平でないことを意味し、従来は足場を組み、高所でメジャーや下げ振りを用いて計測し、紙に記録したのちCADで図面化していましたが、作業工程が多く時間と人手を要するうえ、高所作業による安全リスクや、計測者の熟練度による精度のばらつきが課題でした。
この課題に対し、レーザートラッカーと専用アプリを組み合わせた新たな計測・設計支援技術を導入しました。橋脚の不陸を地上から高精度に三次元計測できるため、高所足場上での計測作業を大幅に削減できます。計測データは専用アプリに自動で取り込まれ、不陸解析から鋼板製作用図面の作成までを自動化しており、専門的な3D計測やCADの高度な技能を必要としない操作性を備えています。
これにより、計測から図面化までの所要時間を従来の約10分の1に短縮し、生産性と安全性の向上を同時に実現しました。また、高精度な三次元計測に基づく図面作成により、鋼鈑のフィット性向上や現場での手戻り削減にも寄与しています。本技術は国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」に登録されており(登録番号:KK-250048-A)、鋼板巻立て工の効率化を図る高度技術として期待されています。

足場不要でのレーザー計測 
4ステップ計測(1時間半/1基) 
計測した不陸を1分でカラーマップ化 
計測データを図面化
技術開発
周辺住民に優しい工事現場へ 「岩盤切削機(サーフィスマイナー)」
道路改良・造成・鉱山採掘工事等において低振動・低騒音の岩盤切削機「サーフィスマイナー」を使用し、近隣住民の負担軽減に取り組んできました。
最近では、燃料に空気の超微細気泡(ナノバブル)を混入させる装置を設置し、燃焼効率を上げることで、燃料消費量・CO₂排出量を削減する試みにも挑戦しています。
さらに、2021年末には新たに2500SM(従来機)を軽量・小型化した220SMを導入しました。新型機は環境負荷が小さくなったことに加え、従来機より狭隘な現場にも適用が可能であり、運搬も容易であることから、これまで以上に稼働の機会が増えるものと期待しています。また、建設DXや建設ICTへの対応として、3次元マシンコントロール技術(3D-MC)を導入し、切削作業の効率化や高精度化にも取り組んでいます。
今後も環境負荷の低減、作業効率の向上のために挑戦を続けます。見学希望の方は、ぜひ一度ご連絡ください。

岩盤切削機(サーフィスマイナー 220SM) 
岩盤切削機施工状況 
3D-MCによる切削状況(移動局) 
MC基地局
ゼロセメント・コンクリートの開発
CO₂の排出量を削減するコンクリートとして、セメントを全く使用しない「ゼロセメント・コンクリート」を開発しました。
ゼロセメント・コンクリートは、産業副産物である鉄鋼スラグを骨材や結合材に使用しているため、一般的なコンクリートと比較してCO₂排出量を90%以上削減できます。またリサイクルによる資源の有効利用や、天然資源の保護にも貢献します。



施工現場:道の駅美山ふれあい広場 
施工現場:PR看板設置
ポリプロピレン繊維補強コンクリート(PPFRC)の舗装への適用に関する研究
国土交通省近畿地方整備局が主宰する新都市社会融合創造研究会のテーマとして採用された、近畿大学の東山浩士教授がプロジェクトリーダーを務める「ハイブリッド型繊維補強コンクリート舗装に関する研究プロジェクト(2021年7月~2024年3月)」に、幹事会社として参加し、現在もコンクリート舗装の更なる長寿命化と環境負荷低減を目指して研究しています。
研究の結果、コンクリートにポリプロピレン繊維を混入することで、普通コンクリート舗装に比べて疲労寿命(耐久性能)が延びることが確認されました。
さらに、設計寿命を60年と設定した場合、版厚を約10%低減でき、CO₂排出量は、普通コンクリート舗装に対して約70%削減できることがわかりました。
また、鉄筋を使用することなく施工できるため、1車線規制での施工が可能となり、供用中の道路の維持修繕での適用性が格段に向上し、インフラの長寿命化にも期待できる技術となっています。

ポリプロピレン繊維 
施工状況(スリップフォーム工法) 
施工現場:ケイコン㈱淀MS センター