トップコミットメント

取締役社長 奥村安正

奥村組土木興業の社会的責任

私たち奥村組土木興業は、1920年の創業以来、「事業を通じて社会に奉仕する」ことを念願し、国土の発展のために、建材事業、ガス・土木・建築工事、リサイクル事業と幅広い分野の仕事に取り組んでまいりました。

その思いは、「ナイスワーク・ナイスコミュニケーション」の経営理念に形を変え、6つの「ナイスワークスピリット」を実践することで、人と社会・自然とのコミュニケーションを大切にした豊かな環境づくりを念頭に企業活動を展開してまいりました。

2020年に創業100周年を迎え、私たち建設業への期待は、防災・減災への備え、国土強靭化への取組み、老朽化した社会基盤の再構築、環境保全、地域社会の安全安心の担い手など、広範囲で多岐にわたるものへと変わりました。そして、それに伴って、私たちは従来よりも多くの関係の皆様とのつながりを与えていただきました。これからの時代、私たちは、その一つひとつを大切にして真摯に向き合い、奥村組土木興業の社会的責任を果たしていく所存です。

100周年を一つの区切りに、私たちは、「イノベーション(技術革新)への挑戦」をテーマに掲げ、新たなステージに向けて踏み出しました。DX(デジタルトランスフォーメーション)への取組みを強化し、それぞれの分野で10年後、20年後を見据えた生産性向上と新技術の導入、新しい仕事の進め方に挑戦してまいります。

社会のプレーヤーとして絶対不可欠であるコンプライアンスを、会社として間違いなく遵守できるように、過去の事例を教訓に、社内の教育を徹底し、高い技術者倫理と責任感を持った社員を育成すると同時に、公明・公平な企業風土の構築と仕組みづくりに引き続き尽力いたします。

2015年に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」は、「誰一人取り残さない」持続可能でよりよい社会の実現を目指す目標であり、私たち奥村組土木興業はその理念に賛同するものです。また、私たちの経営理念である6つのナイスワークスピリットをSDGsのゴールに積極的にシンクロさせて企業活動をすることで、持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。

環境に関連する活動では、CO2削減、環境負荷低減と「循環型社会」の形成への取組みを中心に進めてきましたが、新たに、セメントを全く使用せずCO2排出量を90%以上削減できる「ゼロセメント・コンクリート」(スラグ固化体)を開発し、環境配慮型コンクリートとして実用化を目指しているところです。

このほか多くの社会的課題や時代の要請に真摯に向き合い、解決に向けて企業活動を推進することこそが、社会的な信用を高め、奥村組土木興業の企業価値を高めることだと考えております。

関係の皆様には、本報告書を通じて当社の姿勢と取組みをご理解いただき、忌憚のないご意見を賜りますよう、お願い申し上げます。

2023年 7月

取締役社長 奥村安正